囘る
題名:囘る(めぐる)
画材:愛、氣、アクリル、木彫り熊
縦横奥:17.5cm x 27cm x 17cm
制作:2023年
詩:囘る
いただきます
宇宙のカケラ
いただきます
囘る無数の命
解説:囘る
本作は「周り巡ること」をテーマにした。
その1つとして食べること
を取り上げている。
食べることは
他の生命をいただき
自分が延命することだ。
勿論
食べられてしまう者達も
生前は同じように
また別の生命を
いただいていた。
食べることは
囘り囘った生命を
自分の中で囘らせること。
その流れの一部になること。
天文学的な無数の生命が
降り重なったものを
私達は食べている。
それはもはや
宇宙のカケラそのものだ。
And,
宇宙のカケラを
食べる私達自身も
宇宙のカケラ
そのものだ。
解説:囘る2
「周り巡ること」をテーマにする中で
もう1つ物語がある。
本作は
亡くなった親戚の家から
引き取ったアイヌの工芸品
をベースにしている。
(制作は「1971. 8. 2. 阿寒湖」
と記されている)
親戚宅から引き取った後
数年間、野晒しにした。
太陽と雨
夏の暑さと冬の寒さにより
色が褪せ落ち
ヒビが何本も入った。
きっとこのまま
もう数年置いたらバラバラになり
自然に還っていく。
個としての崩壊。
全としての統合。
その姿に
宇宙的な美を感じた。
それを引き上げて
アート作品へと昇華させた。
いつの日か全へと統合する
その時まで
もう少しの間、
新たな個として
この世を囘ることになる。