オランダ移民局(IND)の目の前で移民(自分)がアート | デンハーグ・オランダ 2024秋
2024年10月11日
オランダのデン・ハーグにある
移民局(通称:IND)の前にて
ストリートペイントの
パフォーマンスを敢行しました。
(IND = Immigratie en Naturalisatiedienst)
移民局はオランダに移住する関係者
全員が必ず関わるオランダにとっても、
海外諸国にとっても重要な機関です。
かく言う私も、
2024年の夏にオランダに移住しましたが
当移民局には大変お世話になりました。
当移民局があって、
現在移住が許されているという状況です。
夏が過ぎ、急に寒くなったこの場所で
無事に開幕と閉幕が出来ました。
ありがとうございました。
ヨーロッパ系、イスラム系、アジア系、
アフリカ系、などなど
行き交う人々は文字通り多種多様。
聞こえてくる言語も全てが違う。
ルーツも母国も文化も全てが違う。
それぞれがそれぞれの事情で
オランダの移民局へ足を運んでいました。
その状況の中で移民である自分自身が
ライブ・ペインティングのパフォーマンス
が敢行できたことに感謝しています。
積極的に会話をしてくれる方々もいれば、
アートをじっと見つめる方々も
いらっしゃいました。
また、お互い言葉は通じないけど
身振り手振りで伝えあったり、
アートという非言語だからこその
独特なコミュニケーションや感情の共有
などが出来たことは双方にとって
豊かな経験だったと思います。
日陰が耐えられない寒さになってきた為、
日当たりのある大通り沿いに移動して
絵の続きを描きました。
「そういえば、映画やドラマなどで見る
投げ銭は本当に貰えたりするのか?」
と、ふと思い、
持っていた帽子を逆さに置いてみました。
すると10秒もしない内に
小銭を渡してきてくれた男性がいました。
フランス出身で今はモデル業をしている
とのことでした。
「わお、美しいものを生み出しているね。
何かをあげたい。今はこれしかないけど。
受け取ってほしい。じゃあね。頑張ってね。」
そう言って、
30セントを手渡ししてくれました。
この日のレートだと50円弱くらいです。
たかが30セント。
しかし、この嬉しさはどこから来るのか。
手に置かれたコインの重みが
違うように感じられました。
その後、1時間程続けると
帽子の中は合計で約8ユーロ
になっていました。
この日のレートだと1300円程。
中には熱々の出来立てのドーナツを
手渡してしてくれたイスラム系の優しい
ご家族もいらっしゃいました。
人生で今まで食べてきたドーナツの中で
一番美味しいドーナツでした。
また、投げ銭などはしなくても、
応援や称賛の声だけを掛けに来る方々や
無言でボディランゲージで応援する方々の
存在がとても励みなりました。
中でも印象的だった方は、
片付けを始めた時でした。
18:00になり辺りが暗くなって
来ていました。
少し遠くで新聞売りをしていた10代の
青年がわざわざ話しかけに来てくれました。
長身でダボッととした服を着ており、
ラップのように早口で喋るので
最初は彼の英語が上手く聞き取れず、
「あれ、今絡まれてるのかな?」
と少し身構えてしました。
でもよくよく聞くとそれは称賛の声でした。
「僕はずっと君を見ていたよ。
本当に美しいよ、頑張ってね。
体には氣を付けてね。応援してるよ兄弟。」
笑顔でそう言うと彼はまた新聞を売りに
持ち場に戻って行きました。
勘違いしてしまい申し訳ないという
感情と共に、感謝の念が湧き出ました。
「移民局の前で移民がアートする」
どんな結果になるかと思ったら、
様々な国籍の方々から凄く称賛される
と言う結果になりました。
また、言語を通さないコミュニケーション
を可能にするアートの可能性と素晴らしさ
を再確認できるものでした。
また必ずどこかの路上で
実施したいと考えています。
全てのことに感謝です。
本当にありがとうございました。
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