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心の中の怪獣

心の怪獣

それは最初はとても小さくて、水中の小さな氣泡みたいにフツフツとしてるだけだったのだろう。

 

段々、それは成長して目に見えるようになって、小さくモゾモゾしていた。

 

いつの日かそれはハッキリと大きく強くなり、

グワングワンと暴れまわるようになった。

 

そして、

それはついに周りを傷付けるように攻撃した。

「イタイよ。」

僕はもうそれをそこに留めておくことが難しくなった。

 

僕は「何故、君はそんな悪さをするのか」と強く責めるように訊いた。

 

それは答えた。

「お前は俺だし、俺はお前でもある。でもお前が出来ないようだから、俺は産まれてお前の代わりに暴れてあげてるのだ。」

 

僕はやっとその存在の全てを理解した。

 

それは暴れることで僕に訴えていたのだ。

やりたいことがあるけど出来ないと思っている自分に対して。

やりたくないけど生きる為にやらなければいけないと思っている自分に対して。

時間は限られているのに動けない自分対して。

 

シンプルに「進め」と。

 

それは大切な存在だと氣付いた。

それは自分を守る存在だったのだと氣付いた。

僕はそれに酷く謝り、感謝し、涙を流した。

 

するとそれはどこかへ消えた。

 

いつかそれはまた形を変えて現れるだろう。

何故なら、僕はそういう人間なのだから。