なぜ人はアートを買うのか?アーティスト目線からの考察。

Kota イラムカラプテ 個展

なぜ人はアートを買うのか?アーティスト目線からの考察。

 

なぜ人はアートを買うのか?

その動機や理由について

現在アーティストを生業としている

私なりの考察してみました。

 

そもそもアートって何だろう?

絵を買う人がいるの?

っていう人は多いかも知れません。

 

また、なんとなくのイメージで

「経営者の人達はアートを

自宅とか会社に置いてそう。」

 

「海外の人達はアート飾ってそう。」

 

「最近アートが流行っている。」

 

などと

思う方はいらっしゃるかも知れません。

 

それらのイメージはおおよそ合ってます。

 

では、なぜ経営者達はアートを

持っていることが多いのでしょうか?

 

海外ではなぜアートを

飾っている家が多いのか?

 

そして、一般的な方々の間でも

アートを所有するムーブメントが

起きているのはなぜか?

 

私はアーティストという仕事柄

絵を買っていく沢山の人達を

間近で見てきました。

 

また、自分で作品を販売してきた中で

その理由や共通点などが見えてきました。

 

この記事では、

なぜ人がアートを買うのか?という話を

シェアいたします。

 

そして、なんとなくアートの世界の

イメージを掴んでいただける

キッカケになったら幸いです。

 

 

 

 

人がアートを買う7つの理由

 

結論から言うと以下の7つに

当てはまるのかなと思います。

 

1. 単純にその作品が好き。

2. アーティストが好き。

3. インテリアとして。

4. 資産として。

5. 経費として。

6. 窓として。

7. その他付加価値。

です。

 

それぞれ詳しく解説します。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

1. 単純にその作品が好き。

 

一目惚れとか運命的なもの

を感じる場合に多いかも知れません。

 

アートとは?とか、

アーティストが誰?とか

そういうことは一切関係無い。

 

「とにかく、その作品が好き。」

 

他の理由は不要。

シンプルかつ、最も強い動機。

 

作品に対してきっと誰よりも

好きでいて、純粋に向き合っている。

と言えます。

 

それはもう、

好きと言うより愛かも知れません。

 

アーティストである私自身、

作品が買われる際に理由を聞いて

この解答をいただいた時、

心底嬉しかったです。

 

なぜなら、

私のアーティストとしての背景や実績、

そして作品の背景、技法、物語など

そういったものを全てを関係無く

 

ただただ純粋にその作品が好き。

と言う1点。

 

それはその作品に対しての

無条件の愛のようにも

感じられたからです。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

2. そのアーティストが好き(ファン)

 

「そのアーティストが好きなので。」

と言う理由。

 

これもまた非常に強い動機。

 

作品を生み出すその人に

特別な想いがある状態です。

 

きっと作品を生み出すアーティストに

何かシンパシーを感じていたり

するかと思います。

 

言うならば、

そのアーティストの「ファン」であり、

そのアーティストが「推し」である。

 

本業がアーティストでなく、

例え上手な作品で無かったとしても

好きな芸能人の描いた絵だから買う

という行為も同じ現象だと言えると思います。

 

少し話がそれますが、

我が子が描いた絵を

大事に所有する行為なども

ある意味この括りに入ると思います。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

3. インテリアとして。

 

理想の部屋を作り上げる為の

要素の1つとして

アート作品を飾ると言うもの。

 

真っ白な部屋は味氣ないので、

カラフルな絵を置いたり、

 

逆にモノクロのシックな絵で

カッコ良くしたいなど。

 

壁に1枚作品が飾ってあるだけで、

その部屋の印象は大きく与えられるものです。

 

良い印象の部屋にいるだけで

自分の気持ちも上向きになったり、

優しく平穏になったりなど。

 

自身に何かしらの影響が

出てくるものです。

 

また、そういった影響は

その部屋にいる家族や

お客さん達にも効果を与えるでしょう。

 

ちなみに、

欧米圏ではアートを飾ることは

家具を揃えるような感覚だそうです。

 

冷蔵庫、洗濯機、タンス、本棚、

ソファ、ベッド、、

などの並びと同じ感覚です。

 

この壁にはこの絵、

こっちの部屋にはこの絵が良い、、

と言う感じで部屋を作り上げていく。

その過程が楽しいと。

 

アートが生活の一部であることは

日常なのです。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

4. 資産として。

 

アート(美術品)は資産になります。

 

数年前に買った絵が今では数倍の値段。

作品によっては数万倍になったと言う話は

現代アートではあるあるの話です。

 

勿論、作品によりますが、

夢がありますね。

 

所有している間に

アーティストが有名になったり

何かしらの因果でその作品の価値が

勝手に上がっていくことがあります。

 

そして、株と同じように

価値が高くなったから

市場に売って利益を得る。

 

あるいは、ずっと所有し続けて

資産の1つにしている

と言う話があります。

 

こういった話も

欧米圏ではよくある話ですが

アジア圏でもその文化の波は広がってきています。

 

現在、中国や香港などを始めとして、

アジアを拠点としたアートマーケットが

世界的な規模で広がり見せています。

 

また、お隣の韓国でもアート売買における

税制度を大幅に改善したことにより

アートマーケットが盛り上がってきています。

 

まだまだこれからという所ですが、

段々と日本にもその文化の波が

確実に来ていると感じています。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

5. 経費として。

 

アートは経費になります。

 

そう。

なんと美術品を買うという

行為が税対策になるのです。

 

少し、数字の細かい話ですが、、

 

購入価格が1点30万円未満

(資本金が1億円以上の会社では

1点20万円未満)の絵画は、

300万円を上限に

その年の償却資産として一括償却ができます。

 

また、2015年から現在までは

取得価格が100万円未満の美術品でも、

一定の条件を満たせば減価償却資産として

法定耐用年数で償却できるようになりました。

(2024年1月調べ)

 

なので、

どうせ税金で取られてしまうなら

好きなアートを買うと言う選択を

取る経営者さんは多く居ます。

 

しかも、4で触れたように

価値が高まる見込みがある資産

となる可能性も含んでいます。

 

故に、

アート好きな経営者さん達には

数字にも繋がるアートを買うことは

合理的であると言えます。

 

 

なぜ人はアートを買うのか?

6. 窓として。

 

絵は窓のような機能がある。

 

その昔、ヨーロッパでは

窓税なるものがありました。

 

簡単に言うと、

自宅の「窓」に税金を掛け、

窓の数に応じて税率が

上がると言うものです。

 

なので、人々は節税の為に

窓の数を減らしました。

 

同時に減らした分のスペースに

風景画などを飾ると言うことが

増えたそうです。

 

窓とは空気を入れ替えることは

勿論ですが、

部屋にはない「景色」を

望ませてくれる役割があります。

 

人は部屋の外の世界を見ることで

氣分が良くなったり、

心が豊かになるものです。

 

この効果は現代にも

通ずることと思います。

 

絵という窓があることで

現実とは違う世界に想いを馳せる。

 

それは作品の世界観の中に

行くだけでなく、

作品に込められた想いや物語。

作家の背景、人ざま。

作品を買った経緯など

様々な世界へのアクセスすることが出来る

鍵のようなものになるでしょう。

 

そういった時間が

氣分を上げたり、

あるいは優しく沈めてくれたりする

機能があるのでしょう。

 

現代ではテクノロジーが発達し

スマホやパソコンなどで高画質な動画が

見れる時代になっています。

 

でもアートという特別な存在が

自分と同じ空間にあることが

心や人生を豊かにしてくれる効果は大いに

あるのだと思います。

 

なぜ人はアートを買うのか?

7. その他付加価値。

 

作品があることで金銭的ではない

何かしらの付加価値がある。

というものです。

 

人の数だけその付加価値の

種類はあると思いますが。

 

1. 氣功的な価値を感じる。

例えば。

「この絵からはエネルギーを感じる。」

という人はその絵を持っているだけで

元氣になっていくものです。

 

精力的にゴールや目標に向かって

進んでいく為のガソリンのようなもの

になるかも知れません。

 

逆にこの絵を見ていると頭がぼーっとして

リラックスしてくる。眠くなってしまう。

という作品も存在します。

そういったものは不眠症の方には有効と

言えると思います。

 

これらの不思議な現象は、

氣功の世界に通ずるものだと考えています。

 

実際にその効果を信じる人には

元氣になるだけで無く、

仕事や恋愛など人生における多岐において

ベネフィットが出るようです。

 

2. 特別な幸福な感情を生む。

他の例では。

あるアートを買うことで世界の問題の

解決に手助け出来るというものがあります。

 

とあるアーティストは

ガーナが受け入れている

先進国の出した膨大ゴミを使ってアートし、

そのアートが売れる度にゴミを減らす問題に

貢献するように努めているようです。

 

「世界に貢献できたな」と

アートを毎日見る度に思えることは

特別な幸福な感情を生むかと思います。

 

3. 仕事に活用できる。

他の例では。

アートからはアイデアを貰えると

考える人もいます。

 

仕事に使えるような

斬新なアイデアをアートを通して

得られることがあります。

 

実際にGoogle社やMeta社など大手会社企業の

社員研修では美術館に行かせるそうです。

そこで1枚の絵を見ながら

社員達に何を感じるか意見交換させ合います。

 

抽象的な表現から出てくる

10人10色の意見をそれぞれが受け止める

そのことでアイデアの出す訓練だけでなく、

意見の違う相手を受け入れる訓練にもなる

とのことです。

 

こういったことも踏まえて、

経営者の方々はアートが好きなことが

多いのかも知れませんね。

 

 

最後に

 

 

以上、

人はなぜアートを買うのか?

その理由について考察してみました。

 

全体的なアートマーケットでは、

前述したように、

経営者さんや海外の方がアートを買う

傾向が高い状況ではあります。

 

しかし、実際、有難いことに

私のアート作品を買う方には

日本の会社員の方、主婦の方などに

買っていただけることが多いです。

 

また、実際、アートを買うにあたって

上記に挙げた7つの理由の中で

2と4と5の理由。

1と2の理由。

2と7の理由。。

 

など、複合的な組み合わせで

購入に至る場合が多いと思います。

勿論、これらの理由に当てはまらない

こともあるでしょう。

 

その対象物がアートにせよ、何にせよ、

人は欲しい時は欲しいし、

買う時は買うのだと思います。

 

その情熱があるからこそ

仕事に精を出したり、

人生が生き生きと輝くのかも知れません。

 

もしも、いつの日か値段を関係無しに

「この絵が好きだ。欲しい。」

と素直に感じるものに出会えたなら

それは凄く素敵なことだと思います。

 

そしてアートを買ってみるという経験は

人生でも特別な思い出となるかも知れません。

 

「なぜ人が絵を買うのか?」

もっと知りたい方はこちら

実際の購入者の声を載せています。

何かヒントになるものがあれば幸いです。

 

ここまでお読みいただき

ありがとうございました。