なぜアートって高いのか?一番安くアートを買う方法は?アーティスト自身による考察

なぜアートって高いのか?一番安くアートを買う方法は?アーティスト自身による考察

 

「アートってなんかお高いイメージ。」

そのように

思う人は多いと思います。

 

確かに実際、多くのアートは

安くはないと思います。

 

アートギャラリーや画廊に

行ったことがある人は

何となくその値段感が

分かるかも知れません。

 

テレビなどのメディアでは

敢えてとっても高額なものばかり

取り上げるものですし、

実際、

「すごいな。」っていう話ばかりです。

 

例えば、

ひと昔前。1987年。

ロンドンのクリスティーズでの

オークションに出品された

巨匠ゴッホの描いたひまわりの絵。

 

これは、SOMPOホールディングスの

前身である安田火災海上保険が

約58億円で購入しました。 

 

また、最近の話で言うと

ニューヨークのオークションにて

ストリートアーティストの

バスキアの絵がなんと

約123億円で取引きされました。

 

これはZOZOTOWNの

元CEOの前澤氏が購入しました。

 

家が買える

どころじゃない金額ですね。

 

…あと、2例とも購入者が日本人

というのがなんか嬉しい。

(心の声)

 

しかし、言ってしまえば

「たかが絵」な訳です。

 

乱暴な言い方をすれば

キャンバスに色を付けた物です。

 

しかし、

「されど絵」でもあるのです。

 

数字を見る限り

人類はすごく高い価値を

アートに付与している

とも考えられます。

 

では、なぜアートは高いのか?

 

アーティストによる

考察をしたいと思います。

 

アートの価値=希少性

 

前述したように

世の中には安くないアートが

多くあることは事実です。

 

なせなのか?

 

複合的な要因が

重なってのものですが

その結論を一言で言うと

「希少性」にあると思います。

 

絵画作品であれば、

その絵というのは

この世界には

その1枚しか存在していません。

 

仮に同じ作家が同じ絵を

2回描いたとしても

同じように見える絵であって

2つとも違う絵ではあるのです。

 

このことが大きな価値に

なっていると考えています。

 

 

例えば、

巨匠・ゴッホさん。

 

有名な話ですが、

彼は生前は評価されずにほぼ売れずに

ひたすら描き続けていました。

 

しかし、彼の死後に

初めて評価され始めました。

 

(ようやく時代が追いついたのか、

絶妙に売出し方が上手かったのか...??)

 

そして、彼の居ないこの世界で

皮肉にも?作品の価値は

どんどんと上がっていきました。

 

その頃には、当然作家である

ゴッホはいない為、

新作というものは

2度と生まれて来ません。

 

つまり、

評価がとても上がったゴッホの作品達。

それらどの作品も

世界に1枚しか存在していない。

 

ゴッホはもう亡くなっているので

新作は今後生まれようがない。

(現存してる作品だけしかない)

 

などといった複数の要因が

重なった結果の「希少性」

それが作品の価値と価格を

大きく上げていると言えると思います。

 

勿論、現代で技術であれば

完璧に近い複製は製作可能です。

 

しかし、

あくまで複製。

 

ゴッホの描いた

夜のカフェテラスの本物の絵は

この世に1枚だけです。

 

 

 

 

また、

アートとはその時代を象徴する

「文化」でもあると言えます。

 

昔々、文字が読めない人達にも

神の凄さが伝わるようにと、教会に

神の姿を描く宗教画が流行った時代が

あったり。

 

貴族が自分の姿を残したい、

家に飾りたいと考え、画家に

似顔絵を描かせることが流行った時代が

あったり。

 

でも、

精巧で短い時間で安い値段で

自分の姿を残せるカメラ(写真)が

世に発明されてからは、

画家達の仕事が激減。

 

そもそも絵って何だ?

絵だからこそ出来ることは?

を模索した結果、

ゴッホを含めた印象派と言われる

ムーブメントが流行った時代があったり。

 

・・・という具合で

絵やアートとは、

 

その時代を象徴する物でもあるのですね。

深掘りし過ぎると長くなってしまうので

ここまでにしておきますが、、

 

こういった「文化」を象徴するもの

としての機能を持っていることも

絵の価値を高める要因だと思います。

 

 

ポケモンカードの価格がすごい

 

 

少し話は逸れるかもですが、、

ポケモンカードが今すごいんです。

 

 

・・・いや、

急にマジで話逸れてるじゃん!!

 

 

いえいえ、落ち着いてください。

 

現代アートには関わる話でもあります!

あと、ちゃんと話は繋がるので。

 

・・・では、話を続けますが、

 

世界的に有名なYoutuberの

ローガンポール氏。

彼は1枚約7.3億円の値が付く

ピカチュウのポケモンカードを

購入しました。

 

繰り返しますが、

ポケモンカードです。

 

1枚です。

 

ピカチュウです。

 

なぜそんなに高額だったのか?

 

時間を遡ると、

このカードは1998年

「月刊コロコロコミック」の誌上で

開催されたイラストコンテストで

優秀者だけに贈られたカードとのことです。

 

そして、

その配布枚数は世界でたったの39枚。

 

そのうちのピカチュウのものは、

イラストレーターの「にしだあつこ氏」に

よってデザインされたものとのこと。

 

その流通量の少なさ、

もう発行されない物であることから

高い希少性を見出されての

この価格だそうです。

 

他にも「レア」とされるカードは

非常に高価な値段で取引されています。

 

近年、若い投資家達の間では、

ポケモンカードを資産・投資と考えて

高額で購入し保有するムーブメントが

あります。

 

すごい時代ですね。

 

ただ、この根本的なこと。

「希少性=価値」は

先ほど話に出した

「アート=希少性=価値」

の話に通ずる話だと思います。

 

また、最近になってこの波を受けてか、

日本人であり世界的な現代アーティストの

村上隆氏はカード事業を始めました。

 

ポケモンカードのように

可愛いオリジナルキャラクターが

描かれているものです。

 

コレクター達の間では

既にかなり人氣が出ているそうで

レアものだと既に数百万円の

価値になるそうです。

 

 

実はアートは誰でも買える

 

ここまで見ていくと

「やっぱりアートってお高いな」

「手が届かないな」

なんて思ってしまうかも知れません。

 

でも実は、

会社員や主婦層、学生など

誰でも手が届くアート作品というのは

沢山存在しています。

 

パッと見は安くはないかもだけど、

頑張れば買えるなというアートも

沢山あります。

 

実際、ありがたいことに

私のアート作品を

購入いただける方々の多くは

主婦の方やサラリーマンの方々です。

 

街中で時折見かける

いわゆるギャラリーとか画廊に

実際に行くと分かりやすいのですが、

 

そこには今のアーティスト達の

アート作品がずらっと並んでいます。

 

物によってピンキリですが、

大体、安くて

数千円〜数万円から置いています。

 

また、数十万円〜数百万円

のものがあることにも

すぐに氣付くと思います。

 

中には数千万円のものも

展示されている場合もあるでしょう。

 

そう言った作品を

実際に間近で初めて見る時は

驚きや興奮があるかも知れません。

 

でもそういった作品を

普通に買っていく人達が

いるのも事実です。

 

なぜそんな高価な物を買っていくのか?

と疑問にさえ思うかも知れません。

 

しかし、1つの事実として

「購入者にとっては

その作品の価値に対して

その価格が適正」なのです。

 

結果、「購入する」

という行動に至るのですね。

 

 

アートギャラリーや画廊って誰でも入っていいの?

 

ちょっとここで補足ですが

上記で、「実際にギャラリーとか画廊に

行くと分かりやすいのですが」

と書きましたが、それについて。

 

銀座などの都心を歩いていると

街中に画廊やギャラリーなどが

多々あります。

 

またいわゆる百貨店にも

アートを大々的に取り扱っている

場所がありますね。

 

これらは実は誰でも

フラッと入って良いものなのです。

 

アーティストやギャラリー的には

もっと色々な人に氣楽に入って

来て欲しい物なのです。

 

勿論、買おうなんて考えずに

ただただアート鑑賞する形で

全然良いのです。

 

アート表現とは人に見られて

初めて価値があるものとも言えるからです。

少しでも多くの人の目に

作品を届けられたら幸いなのです。

 

「・・・なるほど。いやでも、

・・・そもそも、めちゃ入りづらい。」

 

という声が

聞こえてきそうですが、

 

・・・いや、よく分かります。

正直、同感。

 

なんか、入りづらい。緊張する。

何なんでしょうね、独特なあの感じ。

いわゆる敷居が高そうな感じ。

 

と、初めの頃は僕自身も

感じてはいました。

 

しかし、今となっては私は

コンビニ入るくらいの感覚で入ってます。

 

そして、これが慣れてしまうと

ギャラリーに入ることが

 

めっっっちゃ面白い。

 

最高の娯楽であり趣味になります。

 

もし、良い展示内容だと

良い映画を見終わったくらいの

心地良さを胸に抱いて出ます。

 

無料で今のアーティスト達の

アート鑑賞ができるということは

個人的には豊かな経験だなと思っています。

 

そしていつの日か、

本当に「これ欲しいな」

なんて思える作品に

出逢ってしまったのなら

 

買う買わないは別として

それはそれでまた

凄く良い経験だと思います。

 

 

アート作品を一番安く買う方法は?

 

アートは物によってはとても高価。

なぜならその希少性にある。

 

でも主婦やサラリーマン、学生でも

買えるアートは実は沢山ある。

 

そんなアート達に会えるギャラリーには

氣楽に誰でも好きに入っていい。

 

と、ここまで書いてきましたが、

そんなアートを一番安く買う方法

というのがあります。

 

それは裏技でも何でもなく

真っ当な方法です。

 

 

それは、

 

 

 

 

その作品が氣になった

その時に買うことです。

 

 

 

「一番若い時は今である」

という名言に少し似ている所が

あるかも知れません。

 

アートも一番安い時は

大体今であることが多いからです。

 

勿論、物にもよりますが、

アートは大体が値上がっていくことは

ありますが、値下がっていくことは

基本無いと思います。

 

例えば、

ZOZO TOWNの元CEO前澤さんは、

実はバスキアの絵を何枚も買ってます。

2016年に買った1枚の作品は

62億円で購入しましたが、

その6年後である2022年にはその絵を

オークションに出品し、

110億円で取引されました。

 

(6年保持してただけで、

約48億円の利益…。)

 

このことは、

今を生きるアーティスト達の

アート作品にも同じような現象が

起きています。

 

数年前に買った絵が

今では何倍かになっていたり、

 

同じ作家の他の絵を数年ぶりに

買おうとしたら全体的に

値段がかなり上がっていたり

という具合です。

 

もしも今、購入を

悩まれている作品があるのなら

 

行くが良し。

行かずも良し。です。

 

ご参考までに、別記事にて

アートを買う理由も考察しています。

 

 

 

最後に。

 

なぜアートって高いのか?

一番安くアートを買う方法は?

私アーティスト自身で考察してみました。

 

ゴッホからポケモンカード

歴史的な話から現代的な話まで

大きく広がってしまいましたが、

少しでも記事から

得るものがあれば幸いです。

 

是非、機会あれば

1度ギャラリーや画廊などで

実際に今を生きるアーティストの

生のアート作品を見てみて下さいね。

 

きっと豊かな時間や

新しい発見が待っています。

 

確かにアートは1点あたり、

安くはないかも知れない。

 

しかし、欲しかったアートが家に

飾ってある生活は一体どんな生活に

なっているのか?

 

その暮らしの中には

どんな自分がいるのか。

部屋にはどんな音や香りが漂っているのか。

 

目を閉じてニヤニヤと

少し想像してみるのも

楽しいかも知れませんね。

 

 

アート業界の裏話・アートを買う時の裏技

 

 

・・・そして、最後の最後に

 

ここまで読んでいただいた方限定で

アートを買う時の

「裏技・裏話」をお伝えします。

 

正直どちらかと言うと、

アーティスト側にとって

嬉しいことなのですが、

 

アートを買う時は、

勿論、展示してある作品を

ギャラリーや画廊など展示会場で

買うことが一般的ではあります。

 

ですが、もしも、アーティストに

直接の連絡することが可能なら

直接取引することがアーティストにとって

良いことが多くあります。

 

なぜなら、そこには中間業者による

マージン(手数料)が発生しないからです。

 

今度、別の記事でも書こうと思いますが、

ギャラリーや画廊で展示販売すると

マージンが大体30〜50%掛かります。

 

百貨店に至っては70%のマージンである

場合が多いです。

 

・・・つまり、この場合、

仮に現場で100万円で作品売れても

アーティストの手取りは30万円です。

(更に税金もかかる)

 

場所によっては展示すること自体に

まず費用が発生します。

このことを展示費と言います。

 

これはアーティストが支払うものです。

期間や場所によりけりで

数万円〜数十万円〜数百万円

など掛かります。

 

つまり、

仮に展示会をすることができて

展示販売ができたとしても

アーティストに入ってくるお金は

かなり減ってくる訳です。

 

中々、シビアで独特な世界です。

 

勿論、この大きなマージンには

それなりの意味と価値があります。

 

そこで展示させていただいていること、

アーティストに代わって

営業や説明をしてもいただけること、

広告や告知を一緒にしていただけること、

場所の名前を実績に載せられることなどです。

 

優秀なギャラリーは強靭な助っ人となり

マージンの価格以上の働きにより、

アーティストをがっちりサポートします。

(稀な例ではありますが。)

 

この大きなマージン発生の構図

があることが、アーティストとして

生きることを生きにくくさせてしまっている

要因の1つと考えられます。

 

更に、先進国の中で日本のアートの発展が

ゆっくり状態であることの要因の1つ

でもあると考えられます。

 

なので、もし好きなアーティストや

氣になる作品があれば、

直接アーティストに連絡してみましょう。

と、私は考えています。

 

ギャラリーから買う時と比べて

購入額は変わらないかも知れません。

 

しかし、

アーティストを金銭的・精神的に

強力に支えることが出来るだけでなく、

アーティストとの直接の連絡のやり取りは

かなり面白く貴重な経験にもなると思います。

 

そして、

購入希望者とアーティストの

相互の何かしらの理由で

もし購買に至らなかったとしても

 

アーティストとしては

連絡をいただけること自体が

絶対に嬉しくて光栄なものなのです。

 

 

・・・と、言う、

業界にいるからこそ

知っている裏技・裏話でした。

 

もしも今、何か氣になっている作品が

あるのなら、とりあえず

直接連絡をしてみるが良しです。

失うものは何もありませんので。

 

ではでは、

ここまでお読みいただき

ありがとうございました。